私がウルトラサンムーンの全国ダブルにおいてWCS2018の世界大会が終わって以降のシーズンで使っていた構築を紹介します。過去1完成度が高いと感じた下記の構築記事(ぜひそちらの記事もご覧ください)を参考に、長い間構築を固定してレート環境と自分の好みに合わせて追究してきた構築です。
参考 Soaring Higher – Team Report from Paul Ruiz, the 2018 Pokémon VGC World Champion
なるべく上記の記事に書かれていないことや変更点を中心に書きました。
概要
互いの弱点を補う積みエース+7th最優秀サポーター+
ボルトチェンジから威嚇を出す強ムーブ→
補完のZ枠
変更点
参考元の構築からの主な変更点は
- ボーマンダをすてみタックル採用の陽気AS→やつあたり採用の意地hDs
- カミツルギを意地→陽気
- カビゴンを意地→慎重
- トリトドンのS個体値を下げた
のみです(細かい配分変更を除いて)。理由は個別解説で触れます。
個別解説
ボーマンダ

特性 | いかく→スカイスキン |
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持ち物 | ボーマンダナイト |
性格 | いじっぱり |
実数値(努力値) | 179(68)-181(0+)-150-x-142(252)-164(188) |
技構成 | やつあたり / りゅうのまい / はねやすめ / まもる |
- A
- +1やつあたりで173(68)-111(4)ランドロスを13/16で1発(169~199)
- D
- C156(252+)ルンパッパのれいとうビームを15/16耐え(152~180)
- C147(252)カプ・コケコのEF10まんボルトZを15/16耐え(153~181)
- C200(252+)カプ・テテフのムーンフォースを15/16耐え(152~180)
- S
- 最速カプ・テテフ抜き抜き抜き
- +1で雨下の準速ルンパッパ、メガラグラージを抜ける
すてみタックル採用の陽気ASにする明確なメリットが
- 耐久振りのメガゲンガーを抜けてダメージも稼げる(結局メガゲンガーは最速が多い)
- 威嚇が1回入ってもジャラランガを縛れる(確定ではない)
程度しか見当たらず限定的に感じたので、ガオガエンのサポートの恩恵を最大限に受けられてサポート無しでも行動保証を得られるD振りにしました。
せっかく振った耐久を削らないように攻撃技はやつあたりを選択しました。
ガオガエン

特性 | いかく |
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持ち物 | 混乱実 |
性格 | しんちょう |
実数値(努力値) | 202(252)-136(4)-111(4)-90(0-)-143(156+)-92(92) |
技構成 | フレアドライブ / バークアウト / ねこだまし / よこどり |
- B
- A197(252)メガメタグロスの-1じだんだを93.8%で2耐え(88~104)
- A201カミツルギの-1せいなるつるぎを確定2耐え(82~98 )
- A194(252+)メガガルーラの-1おんがえしを確定2耐え(親67~81、子16~19)
- D:11n
- C161(252+)カプ・コケコのEF10まんボルトZを確定耐え(166~196)
- C161(252+)カプ・コケコのEFかみなりZを13/16耐え(177~208)
- C161(252+)カプ・レヒレの分散だくりゅうを99.6%で2耐え(84~102)
- C200(252+)カプ・テテフのムーンフォース2回で確定混乱実発動(76~90)
- C177(252)サンダーのいのちのたま10まんボルトを確定2耐え(83~99)
- C233(172+)メガゲンガーのヘドロばくだんを確定2耐え(84~99)
- C179(252)ウツロイドの+1パワージェムを確定耐え(168~200)
- S
- ミラー意識
- おいかぜ下で準速130族を抜ける
横取りは、
- リザードンの追い風
- サンダーの追い風、羽休め
- カビゴンの腹太鼓
- エルフーンの追い風
- ラッキーの小さくなる
などに合わせて押していました。猫騙しより優先度が高いのも優秀で、勝負の決め手になることが多く重宝しました。
蜻蛉返りを採用していないガオガエンは珍しいですが、威嚇のボーマンダと呼び水のトリトドンがいることもありガオガエンの体力を残して素引きする動きが強いので、蜻蛉返りが欲しいと感じる場面はほとんどありませんでした。
カプ・コケコ

特性 | エレキメイカー |
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持ち物 | こだわりメガネ |
性格 | おくびょう |
実数値(努力値) | 146(4)-x-105-147(252)-95-200(252+) |
技構成 | 10まんボルト / ボルトチェンジ / ほうでん / マジカルシャイン |
こだわりメガネを持たせることで、ボルトチェンジから威嚇を出す動きをより強力にし、マジカルシャインも実用的な火力(D+1ジャラランガを確1、カプ・コケコを確2など)を出せるようになります。
当初は耐久調整を施した個体を使っていましたが、火力不足を感じる一方で耐久調整の必要性を感じなかったので、配分はCSに振り切りました。
放電は避雷針入りの構築に対してイージーウィンできました。
カミツルギ

特性 | ビーストブースト |
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持ち物 | クサZ |
性格 | ようき |
実数値(努力値) | 135(4)-201-151-x-83(252)-177(252+) |
技構成 | リーフブレード / せいなるつるぎ / おいかぜ / みきり |
- A
- リーフブレードZで173(68)-111(4)ランドロスを確定1発(178~211)
- -1リーフブレードZで145-96(4)カプ・テテフを12/16で1発(138~163)
- D
- C209(36+)メガサーナイトの分散ハイパーボイスを98.8%で2耐え(57~68)
- C172(252+)ランドロスのだいちのちからを確定耐え(106~126)
- C161(252+)カプ・コケコのこだわりメガネEF10まんボルトを確定耐え(110~130)
- C200(252+)カプ・テテフのいのちのたまPFサイコキネシスを 11/16耐え(120~140)
- C161(252+)ペリッパーのぼうふうを10/16耐え(120~142)
- S:最速
- ウツロイド、テラキオンを抜ける
構築全体で重いなどに強く、草Zを持たせることで縛ることができます。
構築内唯一のS操作枠で、積極的に追い風をすることはしませんが、柔軟な立ち回りを可能にし対応範囲を広げることができました。
構築全体で極めて重いカプ・テテフ、ウツロイド、テラキオンが環境に多く存在していたため、性格は陽気一択でした。
カビゴン

特性 | くいしんぼう |
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持ち物 | 混乱実 |
性格 | しんちょう |
実数値(努力値) | 254(148)-131(4)-115(236)-x-144(4+)-65(116) |
技構成 | やつあたり / はらだいこ / リサイクル / まもる |
- H:16n-2
- A
- やつあたりで145-105カプ・コケコを99.6%で2発(72~85)
- D
- C200(252+)カプ・テテフのPFサイコキネシスを確定2耐え(106~126)
- S
- ほとんどのトリトドンを抜ける
- 最遅ゴチルゼル抜き抜き
- おいかぜ下で最速ペリッパー、Sにあまり振っていない100族を抜ける
素で殴るよりも腹太鼓をしてから殴ることの方が圧倒的に多いので、腹太鼓展開の成功率を上げるために性格は意地っ張りではなく慎重を選択しました。+6やつあたりでもH振りクレセリアが乱数なのは気になるものの、積めばほとんどのポケモンに対して火力は足りますし、欲を言えば耐久はまだもう少し欲しいくらいです。
トリトドン

特性 | よびみず |
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持ち物 | ジメンZ |
性格 | ひかえめ |
実数値(努力値) | 215(228)-x-112(188)-134(76+)-104(12)-57 ※S個体値26~27 |
技構成 | だいちのちから / れいとうビーム / じこさいせい / まもる |
- B
- A192(252+)ウォーグルのブレイブバードZを15/16耐え(184~217)
- C
- だいちのちからZで202(252)-128(140)ガオガエンを確定1発(206~246)
- だいちのちからZで175(156)-145(116)メガメタグロスを確定1発(186~218)
- だいちのちからで145-96(4)カプ・コケコを15/16で1発(144~170)
- だいちのちからで185(4)-151ウツロイドを14/16で1発(184~220)
- だいちのちからで149(4)-93アーゴヨンを確定1発(150~176)
- れいとうビームで171(4)-110メガボーマンダを15/16で1発(168~200)
- れいとうビームで173(68)-110(76)ランドロスを13/16で1発(168~200)
- D
- C161(252+)ペリッパーのぼうふうを76.6%で2耐え(96~114)
- S:最遅60族抜かれ(モロバレルに抜かれないようにSを下げ過ぎない)
- 最遅ガオガエンの後攻とんぼがえりからの滅びメガゲンガー着地を拒否
- ギルガルドの下を確実に取ってブレードフォルムに攻撃
- アシレーヌ入りのトリパを意識
- 地面技が、ボーマンダの飛行技とカビゴンのノーマル技のどちらに対しても攻撃面での相性補完として優れている
- 物理ではなく特殊なので、威嚇が一貫しない
という理由から軸の補完として極めて優秀でした。
役割対象は、
などで、構築全体で重いところをカバーしてくれました。
選出
リザードン
- 先発
後発
- 先発
後発
ボーマンダがリザランドに強いので一見有利ですが、鉢巻ランドロス、カプ・コケコ、どくどく採用のヒードランなどが重いためそんなことは全くありませんでした。
ウツロイドがいたら基本的に1のパターンのカビゴン→カミツルギとした選出をしていました。
ゲンガエン
ランドロス入り滅びパ
トリトドンのS個体値を下げたことにより滅びパターンから抜け出せるようになったため、対処が比較的安定するようになりました。
トリトドンに奇襲してからの滅び展開を狙われることがあるので、トリトドンを大切に扱う立ち回りが肝心です。
BIG-K
ジャラランガが重いですが、ボーマンダの通りが良いので安全に舞える対面をつくりたいところです。
ボーマンダが分散+1スケイルノイズを50%で耐えるため、悪い展開になっても一応乱数にすがることができます。
メタグロス
特にカプ・テテフ入りは構築相性が不利な相手になりますが、相手側は有利であるという意識があるせいか素直な行動をとってくれることが多いため、辛抱強く柔軟に捌ければ(説明が雑)気づいたら有利な展開になっているので勝率は高かったです。
サナガエン
カミツルギがサーナイトとランドロスを草Zで縛れることだけでなく、追い風+腹太鼓カビゴンの勝ち筋を狙いやすいことも強みです。
カビゴンを通しているうちに相手はボーマンダで詰むことが多く、負けなしの相手でした。
ボーマンダ
バンドリマンダ
最悪ボーマンダは単なる威嚇要員として雑に扱ってもいいので、カビゴンとトリトドンを通す立ち回りが肝心です。
どうしても岩雪崩の試行回数を稼がれて怯みと急所を狙われてしまうので、あまりマッチングしたくない相手でした。
ボーマンダスタン
意外にも相手の型や並びがやや多様化していましたが、基本的に上記の選出で対応できていました。
ガルーラ
ガルクレセとガルサンダーのどちらも上記の選出が考えられます。
特にガオガエンの上から猫だましができるガルーラの存在が厄介ですが、カビゴンを通して数的有利を取れればボーマンダで詰めていきやすいです。
バシャキザン
トリトドンがメタられていないことは無いため不利な相手です。気合で択を制します。
結果
- 第二回ボスラッシュ:最終1593pt、3位、11勝4敗
- シーズン17ダブルレート:最終1870pt、8位、29勝3敗
感想
この並びを初めて見たときは、カビゴンとトリトドンの鈍足が2匹もいてトリックルームが採用されていないところに良くない印象があった(もちろん実際下から動くと事故は多いです)のですが、記事を読み構築を回していくにつれこの構築の強さをうかがい知ることができました。
- それぞれの型がそのポケモンの中で最も強い型になっている
- 不一致攻撃技が少ない(3つのみ)
- 命中不安が少ない(95のバークアウトのみ)
といった要素を満たしたうえで、数値も高く相性補完も優れているため強い構築になっていると思いました。これが過去1完成度が高いと感じ長い間構築を固定していた所以です。
プレイヤーの弱さゆえに良い結果を私は出せませんでしたので、8世代は自分で強い構築を最速でつくり、また正しい立ち回りができるように精進したいと思います。
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